ころがり続けて「Flow」よ、旅路の歌を~
というわけでラトビアのギンツ・ジルバロディス監督の長編アニメ第2作「Flow」が14日公開されます。大変な傑作です。インタビューしたら「冒険する主人公のネコを観客が一緒に追いかけ、この世界に没入してほしい」。3年半かけひとりで作り上げた長編「Away」(2019年)日本公開時もインタビューしましたが(20年12月14日の本欄「村上春樹の猫がラトビアのアニメ青年を動かす」)、動物・遺構・漂泊・象徴・寓意(ぐうい)などを共通項としながら初めての集団制作ですごい境地に到達したものです。
- 村上春樹の猫がラトビアのアニメ青年を動かす
森の中の廃屋に独り暮らすネコがある日、突然の大洪水に見舞われ、ぷかぷか流れてきた小型の帆船に避難します。そこにはカピバラがいて、キツネザルやヘビクイワシやイヌ(ラブラドルレトリバー?)も乗り込んできて呉越同舟、水に覆われた世界をゆく動物たちは、神殿のような巨大な遺跡へとたどりつき……。
まず目を引くのが動物たちの…